本を読んでいると、目が留まるような一文に出会うことがあります。
もちろん全ての小説の一行一行に意味があり、
選び抜いた言葉が使われているのですが、
その本を読んでいた、その時の自身の気持ちなどにより、
自分にとって特別な一文に出会うことがあります。
今回はそんなワードセンスが光る一文を紹介します。
私の好きな一文 10選
「私は数学なんかをして人類にどういう利益があるのだと問う人に対しては、スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだと答えて来た」
岡潔『春宵十話』より
雨を感じられる人間もいるし、
ボブ・マーリー
ただ濡れるだけの奴らもいる。
重要なのは病から癒えることではなく、
カミュ『シーシュポスの神話』(清水徹 訳)
病みつつ生きることだ。
汚い洗濯物が干してあったり
梶井基次郎
がらくたが転してあったり
むさくるしい部屋が覗いていたりする
裏通りが好きであった。
書くことのできる領域はあまりにも限られている。
村上春樹『風の歌を聴け』
象について何かが書けたとしても象使いについては何も書けないかもしれない。そういうことだ。
(中略)
うまくいけばずっと先に、何年か何十年か先に、救済された自分を発見することができるかもしれない、と。
そしてその時、象は平原に還り僕はより美しい言葉で世界を語り始めるだろう。
私の耳は貝のから
ジャン・コクトー
海の響きをなつかしむ
よくいるかホテルの夢を見る。
村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』
夢の中で僕はそこに含まれている。
なんとなく好きで、
川端康成『雪国』
その時は好きだとも
言わなかった人の方が
いつまでもなつかしいのね。
忘れないのね。
蛇を踏んでしまってから蛇に気がついた。秋の蛇なので動きが遅かったのか。普通の蛇ならば踏まれまい。
川上弘美『蛇を踏む』
蛇は柔らかく、踏んでも踏んでもきりがない感じだった。
明けない夜もある
シェークスピア『マムベス(戯曲)』
今回は「【ワードセンス光る】私の好きな一文 10選【小説・随筆・詩集より】」について記事を書きましたが、
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今回は、見てくださいありがとうございました。
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2022/07/10
— nakumi『ブンガクブ』 (@junbungakudayo) July 10, 2022
「重要なのは病から癒えることではなく、
病みつつ生きることだ。」
カミュ『シーシュポスの神話』(清水徹 訳)#私の好きな一文#読書好きと繋がりたい #読書垢さんと繋がりたい
「私の耳は貝のから
— nakumi『ブンガクブ』 (@junbungakudayo) July 9, 2022
海の響きをなつかしむ」
ジャン・コクトー
とても有名な詩で大好き。
耳の形が貝殻に似てるからかな?
「海の響き」ってのもセンスが凄いなー
普通「波の音」となにしちゃいそうなのに#私の好きな一文#詩
終わり