みなさんは「ゴシック」と聞いてどんなイメージをされますか?
例えば黒色、闇、廃墟的、退廃的といったイメージでしょうか? それは合っているようで、違います。
今回はゴシックについて、わかりやすさ重視で説明します。
多少、歴史の話も混じりますがかなり掻い摘んで説明しています。多少の誤解はご愛敬!
ゴシックとは、何か?【圧倒的シンプルにわかりやすく解説・説明】
まず、ゴシックという言葉は主に建築に使われることが多く、
他には絵画や彫刻、文学、音楽など芸術分野に使われます。
要するに美術の様式を表す言葉です。
しかし、ゴシックの様式や考え方は芸術分野だけに留まらず、哲学や政治にも広まり、世はまさにゴシック時代!(12世紀後半から15世紀)という感じで、
ゴシックとは、ただの黒色や闇を表す言葉ではないです。では一体ゴシックとは何なのか?
ゴシックという言葉は本来「ゴート人の、ゴート風の」という意味で、
実は侮辱(ブジョク)する言葉だったんです!
「このゴシック!」「お前はゴシックだ!」みたいに。
まだ、意味がわからないですよね。大丈夫です、説明いたします。
まず、最初「ルネサンス」について軽く知る必要があります(ルネサンスは“再生”を意味するイタリア語が由来)。
「ルネサンス」(1400-1600)はイタリア、フィレンツェが発祥の地です。
ルネサンスとは、「理想の芸術はこうだ!」という運動のことです。
イタリアのフィレンツェから理想の芸術はこうだ!と、広めた運動 = ルネサンス
こうしてルネサンスはフィレンツェからローマ、ネーデルランドまで全ヨーロッパに広まります。
「なんかルネサンスが最近流行ってるなー」と言ってると、
あっという間にヨーロッパ全体がルネサンスに染まってる!みたいな感じです。それほどに魅力的だったんでしょう。
ここで改めて登場、ゴシックです。
語源となったのはゴート人です。
ゴート人は4~6世紀にローマ帝国領内に侵入して、
イタリア、フランス、スペイン、北アフリカ、イギリスなど、ローマ帝国領内に
ヴァンダル、西ゴート、東ゴート、フランク王国、アングル、サクソン諸国などの
部族国家を築いたゲルマン人の一族です(←ゲルマン民族の大移動)。
それまでの期間、ゲルマン人はローマ軍と何度も戦いました!
ローマ帝国にゲルマン人が攻めてきたんですね。
なので、ローマ人はそりゃ、自分たちの領内を攻めてくるゲルマン人を良く思うわけがなく、
それら一族全体をゲルマン人(ゴート人)と呼び、そして野蛮人だ!と言っていました。
(最終的には二つのゲルマン人の文化とローマの文化は混ざり合いましたが。。。)
ここまで、読まれた方ならわかると思いますが、
「ゴシック」はゲルマン人の美術の様式で、「ルネサンス」はローマの美術の運動。
過去の戦いや文化の違いから、
ルネサンスのイタリアの古典学者たちは
野蛮なゲルマン人という意味を込めて「ゴシック!(ゴート人の)」と言ったんですね。
ルネサンス派の人たちからすると、ゴート人は古代ローマの建築物を壊し、野蛮な悪い様式であるゴシックを流行らせた!ということです。
『ここまでのまとめ』
ゴシックとは、「この野蛮なゲルマン人め!」という意味が込められており、
それは、「ゲルマン人」と「ルネサンス大好きローマ人」との間にいざこざがあったから。
ここからはゴシックについてもう少し詳しく説明します。
最古のゴシック教会建築は、パリ市近くのサン・ドニ大聖堂や、フランスのランス大聖堂、シャルトル大聖堂、パリのノートル・ダム大聖堂などです。また、ドイツのケルン大聖堂や、イタリアのミラノ大聖堂が有名です。
ゴシック建築には特徴があります。
①先の尖った建築で高さを強調している
②壁に大きな窓を付けて大量の光を取り入れている
③外側から支える梁が外壁から飛び出している など
また、ゴシック建築のような建物が舞台の小説を「ゴシック・ロマンス」とカテゴリーしたりします。
ここから「フランケンシュタイン」や「吸血鬼」など、今でも耳馴染みある怪物が生まれました。
今回は「ゴシックについて」説明しましたが、僕のこのホームページでは純文学やエンタメ小説、その他芸術についてなど圧倒的シンプルにわかりやすく、説明・解説しています。本のオススメも紹介しています!是非、他の記事もご参照下さい。
今回は、見てくださいありがとうございました。
終わり・ロマンス